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アクシズ落下阻止作戦回顧録(注釈)

 

※1:その1週間ほど前、シャア総帥率いるネオ・ジオンは5thルナを地球に落着させたばかりだった。
これにより、地球連邦本部の存在したチベットのラサは地図上からその姿を消した。

U.C.0093年3月4日、ネオ・ジオンは地球連邦軍本部の存在するチベットのラサへ、
5thルナを落着させた。これによってラサは壊滅したが、軍の上層部は既に脱出していた。

 

※2:誰もが1年戦争時のシドニーを思い出したことだろう。
あるいは、年代によってはハマーン戦争時のダブリン、
この手の情報に精通している者ならば、U.C.0083年の北アメリカを思い返すかもしれない。

U.C.0079年の1年戦争開戦と同時に行われたジオン公国軍によるコロニー落としはシドニーを壊滅させた。
U.C.0088年10月31日、ハマーン・カーン率いるネオ・ジオンはダブリンへとコロニーを落着させた。
またU.C.0083年11月13日、デラーズ・フリートによるコロニー落としによって 北アメリカ大陸の穀倉地帯は甚大なる被害を受けた。

 

※3:一部の連邦政府高官はシャアとの交渉でこの危機を乗り切ろうとした。

U.C.0093年3月6日、5thルナ落着の2日後に地球連邦軍は サイド1ロンデニオンにてネオ・ジオンと和平交渉を行った。
交渉団の代表として、アデナウアー・パラヤ連邦軍参謀次官を派遣している。
この交渉によって連邦軍はアクシズをネオ・ジオンに譲渡する代わりに、 ネオ・ジオンは軍を解散することが取り決められたが、
ネオ・ジオン側はこれを破り、アクシズ落下作戦を展開することになる。

 

※4:クラップ級軽巡洋艦

全長292.0m、全幅133.0m
連装メガ粒子砲×2、連装対空機銃×2、8連装ミサイルランチャー、 対空機銃×12、ミサイル発射管×6

開発当初よりMSの運用を前提に建造されたため、バランスのよい艦に仕上がっている。
ラー・カイラム級よりも小型であるため、搭載MS数やカタパルト、主砲の数は少ないものの、
そのバランスの良さから連邦軍宇宙戦力の主軸を成す艦である。

 

※5:自らのエース部隊である“STAR”(Specialists for Terrorists' Attacks to Resist)を宇宙へと派遣した。

1年戦争後、アフリカ方面軍司令官として着任したスタンリー少将は、
かねてよりアフリカ方面に脱出したジオン公国軍残党への対処の必要性を連邦軍に訴えていた。
一向に動きを見せない上層部を見かねた少将は、秘密裏に公国軍残党への対抗部隊を設立。
これはSTARの前身となる部隊である。
U.C.0083年のデラーズ紛争によって、ジオン公国軍残党の脅威が明らかになり、 連邦軍上層部もようやくその危険性を認識する。
しかし、その役割はジーン・コリニー提督派閥に属するジャミトフ・ハイマン准将が提唱した
ジオン残党狩り組織、『ティターンズ』が担うことが決定される。
地球連邦軍内部にて、ティターンズが極端な地球至上主義者で成立していることから、 その危険性を訴える者が急増した。
これを受けてスタンリー少将は急遽、表向きはジオン公国軍残党への対抗部隊としながら、ティターンズへの対抗部隊を設立。
これがSTAR=Specialists for Titans' Attacks to Resistである。
しかしながら当時はティターンズに表立って反抗することは 自らの社会的立場の死を意味しており、
スタンリー少将はSTARをSpecialists for Terrorists' Attacks to Resistであると発表した。
STARはグリプス戦争、ハマーン戦争においてエゥーゴとの協力体制を確立し、 混乱の終結に大いに貢献した部隊である。
ティターンズ崩壊後は表向きの名前通り、ジオン公国軍残党への対抗部隊として機能した。
またSTARには1年戦争時代に名を馳せたホワイト・ディンゴ隊のメンバーも参加していたことが
後にスタンリー少将自らの口から公表された。

 

※6:そのときの私は、サイド2から発進した連邦艦隊の内の1隻、 クラップ級軽巡洋艦『ツガル』に所属していた。

スウォード・ミヅキ大尉はこのときユウ・カジマ大佐の指揮するサイド2駐留艦隊に所属していた。
また彼の母艦の名称である『ツガル』とは旧日本地区本州の最北端に位置する平野名から来ている。
ちなみにツガル平野の特産品は『リンゴ』で有名。

 

※7:1年戦争時のジャブローのモグラ

1年戦争時、前線で指揮を取らずジャブローの地下にこもっていた将校たちをこのように蔑んだ。

 

※8:1年戦争時代についた大佐の渾名

ユウ・カジマ大佐は1年戦争時、その活躍から『蒼い稲妻』と呼称されていた。
なぜか本人は迷惑そうにしていたことも付け加えられている。

 

※9:大佐が言うには、途中、正確に撃墜数を数えてくれるオペレータがいないなど、
数えることが面倒な任務ばかりだったのだと言う。

1年戦争時のユウ・カジマ大佐は単機でのミサイル基地壊滅など、特殊な任務に就くことが多かった。
そのため、自身が撃破数を数えていない場合、正確な撃墜スコアを残すことは困難であった。
もっとも、単機で出撃するような任務には常に危険が隣り合う。
一々数えていたら、ユウ・カジマ大佐は生き残ってはいなかったろう。
ちなみに、正確に判明している数では、12月初めの時点で51機という記録が残っている。
この頃から、ユウ・カジマ大佐は『蒼い稲妻』と呼称されるようになった。
余談であるが、ユウ・カジマ大佐の50機撃墜記録達成の記念品は『リンゴ』だったというウワサがある。

 

※10:何しろ、自身の渾名にあやかるかのように、 あまりにも早い稲妻のような昇進を連続して遂げたのである。

ユウ・カジマ大佐は1年戦争からシャアの反乱のわずか14年で 少尉から大佐にまで昇りつめている。
しかも30代半ばという若さにおいてである。
このような例は昨今、あまり見かけない。
が、旧世紀の歴史を紐解くと一人だけ見つかった。
旧アメリカ合衆国海軍兼宇宙飛行士、ジーン・サーナン大佐である。
彼もまた30代半ばにして大佐にまで昇りつめていた。
これは、宇宙開発開始時期において、軍出身の宇宙飛行士は
1つのミッションを終えて帰還すると昇進するという慣例があったためである。

 

※11:私は1年戦争後、これまでの功績から中尉に昇進した。

スウォード・ミヅキ大尉は、1年戦争終戦後、戦中の諜報員としての活躍と、
敵MS6機撃墜という功績によって少尉から中尉へと昇進した。

 

※12:とある機密事項

スウォード・ミヅキ大尉は当時、『蒼い死神』と『EXAMシステム』について個人的に調査していたのだが、
これらは連邦軍内において機密事項に指定されていた。

 

※13:その大佐は、不思議な縁で私たちがお互いに20代の青年のときに、 トリアーエズに私を同乗させてくれた少尉殿だった。

ユウ・カジマ大佐とスウォード・ミヅキ大尉は1年戦争開戦前に任務中に偶然出会っていた。
またその任務中にテスト飛行中であったジオン公国軍のMS-05と遭遇している。
幸い、発砲が即時開戦につながりかねなかったため彼らは生き長らえられた、
と本人たちは後に語っている。

 

※14:了解!『リンゴ』を落とさずに収穫してみせますよ!

『ツガル』を母艦としていた彼らは、アクシズを『リンゴ』と呼称していた。
これは母艦の名の由来となった『ツガル』平野の特産品がリンゴであったためのジョークである。
また、本意は定かではないが、ユウ・カジマ大佐のエピソード(※9参照)に因んでいるとも言われる。
ミヅキ大尉の描いた『アクシズ落下阻止作戦参加部隊展開図』にて
アクシズが『リンゴ』の形をしているのもそのためである。

 

※15:私たちの帰るべき母艦である『ツガル』以下3隻のクラップ級は、この大佐の指揮下にあった。
本来ならばこれだけの階級ともなれば、まず前線に出ることなどない。

大佐という階級ならば本来、後方で艦隊の指揮を取っていてもおかしくない。
しかしながらユウ・カジマ大佐はMSパイロットであることを選んだのである。
艦隊の指揮官であるカジマ大佐が出撃後は、『ツガル』艦長のサーナン中佐が指揮を引き継いでいる。
MS部隊は引き続き、カジマ大佐の命令を受けることになる。
また、ネオ・ジオンのシャア・アズナブル総帥もこのような形を取ったことが確認されている。

 

※16:大佐の次に出撃経験の多いサンダース中尉

テリー・サンダースJr.中尉は1年戦争時、ルナツー方面軍、 極東方面軍コジマ大隊で活躍したMSパイロットである。
当時は階級も軍曹であったが、自らの腕っ節で士官の地位を勝ち取ってきた。

 

※17:よほど良い教官に恵まれたらしく

教官そのものはあまり有名にはならないのだが、 その指導がよほど良かったのか、
バックス・バック教官とサマナ・フュリス教官は 連邦軍人の中でも割と名前が知られている。
ボッシュ少尉の話からすると、卒業する生徒たちに『絶対に生きて帰れ』と訓示していた
サマナ教官の指導を受けたのではないかと考えられる。

 

※18:大佐以下6機のジェガン隊

ユウ・カジマ大佐の下には6機のRGM-89が配備され、 いずれも部隊のエース、ベテラン兵に割り当てられた。
うち1機は本文にて述べられた通り、カジマ大佐用のチューンナップが施されている。
カジマ大佐、ミヅキ大尉、サンダース中尉、ボッシュ少尉、ベンティ軍曹、ボーマン軍曹が搭乗していた。
しかし、このアクシズ落下阻止作戦によってベンティ軍曹並びにボーマン軍曹は帰らぬ人となった。

 

※19:ただ、先程からうわ言のようにつぶやいているのが気になった。

ボッシュ少尉は後のU.C.0120年に第13実験戦団旗艦『アドミラル・ティアンム』にて
大尉としてガンダムF90実験部隊の指揮を取ることになる。
しかし彼はどういった経緯があったのかは不明であるが、
ジオン公国軍残党である火星独立ジオン軍(オールズモビル)へと寝返り、
強奪したF90、2号機で1号機と死闘を繰り広げている。
その際、ボッシュ大尉は戦死したと考えられている。

 

※20:このような被害は、最近の軍事作戦ではグリプス戦争以来のことだった・・・。

グリプス戦争終結以降、連邦軍は大規模な軍事作戦を行うことが稀になった。
ハマーン戦争の際にはエゥーゴとそれに協力していた一部の連邦軍部隊しか 軍事作戦を展開していなかったのである。

 

※21:知り合いのパン屋にでも行ってみるか。

ユウ・カジマ大佐の1年戦争時代の同僚であるフィリップ・ヒューズ元少佐は、
グリプス戦争において負傷退役し、サイド6にてパン屋を営んでいた。

 

※22:かつて、ある博士はニュータイプとオールドタイプが対立する時代が来るという説を述べた。

1年戦争時代に人類がニュータイプへと進化するのはなぜかとの問いを投げかけた博士がいた。
その博士の名はクルスト・モーゼス。
クルスト博士が言うには、ニュータイプの異常なまでの戦闘への適応能力は、
戦うべき相手、つまりは進化しそこなった人類、オールドタイプに向けられるという。
彼はそのときのために備え、オールドタイプがニュータイプに対抗するための兵器、
『EXAMシステム』を作り上げたのだと、ミヅキ大尉の論文では述べられている。
しかしながらクルスト博士の死後、EXAMシステムに携わった人々は ニュータイプ研究への道、強化人間研究への道へと進み、
その研究は最終的にオールドタイプを裁く側、
ニュータイプ側の代表とも言えるネオ・ジオン総帥シャア・アズナブルが利用したという皮肉がある。

 

※23:私の人生の中で2つほど、一般に公表を許されなかった論文がある。

ミヅキ大尉は諜報員時代に『EXAMシステムに関する考察』『EXAMとは?』という2つの論文を書き、
いずれも一般に公表しようとしたところで軍に摘発された。
どちらも機密事項を暴露する内容であったため、機密事項漏洩未遂の罪に問われた。
1つは興味を示した上官に譲渡することで軽い処分で済んだ。
もう1つは連邦政府高官である彼の祖父の尽力もあり、懲戒免職という最悪の事態は逃れたが、
予備役への編入という事実上の厄介払いの処分を受けることとなった。
これを救ったのは、グリプス戦争の勃発とMSパイロットの不足という事態である。
ミヅキ大尉は諜報員としては最早閑職以外の何者でもなかったが、 MSパイロットとしては連邦軍から重宝されたのである。

 

 

以上の注釈はU.C.0130年において、新たに判明していた事実を踏まえ、
より祖父の原稿をわかりやすく改訂するために書き上げたものである。
なお、参考文献として使用したものを以下にまとめる。

参考文献

Do Human Evolve Into “EXAM” 『人類はEXAMになれるのか?』 クルスト・モーゼス  出版社不明(自費出版か?) U.C.0079年?

『軍務と理想 〜我が隊長はかく戦えり〜』 ミケル・ニノリッチ ト・アール出版 U.C.0080年 

『EXAMシステムに関する考察』 スウォード・ミヅキ 地球連邦軍諜報部 U.C.0086年

『EXAMとは?』 スウォード・ミヅキ 地球連邦軍諜報部 U.C.0086年

『アクシズ落としとロンド・ベル』 ジェシカ・ドーウェン Bマルチメディア社 U.C.0094年

『プロジェクトX 〜クラップ級軽巡洋艦を造った技術者たち〜』 UHK出版 U.C.0094年

『STARの真実 〜アフリカの星はなぜ生まれたか〜』 スタンリー・ホーキンス Bマルチメディア社 U.C.0096年

『ホワイト・ディンゴ隊のその後は?』 スウォード・ミヅキ Bマルチメディア社 U.C.0096年

『THE BLUE DESTINY -蒼き運命-』 ユウ・カジマ Bマルチメディア社 U.C.0097年

『赤い大地に眠るジオンの亡霊』 ナヴィ サナリィ出版部 U.C.0125年

 

私たちが生まれる前に起こっていた惨劇を改めて認識し、
以後の宇宙と地球の平和的発展のために役立てばこれ以上の幸福はない。
本書を手に取ってくださった全ての人々に感謝して・・・。

 

U.C.0130年6月7日

文責:ミズキ・ミヅキ

 

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